ショパンワルツの長いトリル
今回は、ショパンの長いトリルについて解説していきます。
ワルツの中には何小節にもわたって長いトリルがある曲があります。
3拍子や小節数を意識しないと違和感のある入り方になってしまい、聴いていて気持ちの悪い演奏になってしまいます。
そうならないためにこの記事で解説していきます。
違和感のあるトリルになる原因
まず、ワルツは三拍子です。
知識として三拍子を理解している方は多いと思いますが、いざ演奏になってトリルの時にこれを意識できない方が多いです。
そうなってしまう原因をいくつか上げていきたいと思います。
⓵適当にトリルを入れてしまう
例えば6小節のトリルを数えないで5小節くらいで終わらせてしまう
アウフタクトではじまる曲なのに、しっかり6小節トリルをしてしまう。
などがあります。
演奏している本人は気づかないかもしれませんが、聴いている側からはとても違和感のある演奏になってしまいます。
②トリルの使い方が間違っている
例えば、「ラ」からのトリルの入り方は「ラシラシ」と入るのが原則ですが、「シラシラ」と上から入ってしまう。
小節の頭からではなく、手前から入ってしまうなどがあります。
このように間違ったトリルをしてしまうと、これもまた違和感のある演奏になってしまいます。
こうならないために次の項で練習方法を書いていきます。
練習方法
ここでは上にあげた演奏にならないための練習方法を書いていきます。
他にも練習方法はたくさんありますが、一つの例として紹介していきます。
⓵初期の練習段階ではトリルはトリルだけの練習をする
トリルと曲の練習を別に始めるといいでしょう。
まず、メトロノームを三拍子に合わせてトリルをやりながら拍や小節を感じる練習をします。この時はだいたい8小説くらいを目安に練習するといいでしょう。
拍がうまく感じられるようになったら、メトロノームを止めて自分の中で数えながらトリルの練習を進めていきます。
ここまでの練習が特に大事なのでしっかりできるようになるまで練習していきます。
曲の始まりがアウフタクトで始まる場合は、適当に入らないように拍を意識して曲の入り方の練習もこの時にしてしまいましょう。
②拍が取れるようになってからの練習
長いトリルにも曲の頭から入るものと、曲の途中であるもので表現の仕方が変わってくるのでそれぞれ解説していきます。
・曲の頭にある場合、トリルを柔らかく入るために最初の音を少し伸ばし気味にして徐々にトリルの間隔を速めていきましょう。全体を滑らかにしてキレイなトリルを目指します。
トリルの中間部分を膨らませるとより動きのあるステキなトリルになるでしょう。
・曲の中間部にある場合、拍子を崩さないために最初の音は伸ばさずにそのままの拍子でいくといいでしょう。こちらのトリルの場合でも膨らますことは大切なので意識していきましょう。
⓷トリルについて正しい知識をつける
少し専門的になりますがトリルの使い方は、時代や作曲家によって変わってきます。
・ショパンの場合は、装飾音符の付いたトリルは拍の前に入れるのではなく、曲の頭に入れましょう。
・「ラ」からトリルの記号が付いた場合は、その音から上に「ラシラシ」と弾きます。
まとめ
今回はショパンの長いトリルについて解説していきました。
長いトリルで意識することは、拍子を正確に数えてキレイな流れを作り、そこに表現を付けていく事が重要です。
トリルはとても大事なポジションなので適当に入らないようにしっかり練習してステキな演奏になるように練習してみてください。
これは私個人の見解なので他にもいい方法があるかもしれません。
たくさん勉強してステキなショパンのワルツを演奏してください。